実務翻訳の仕事の形態
ここでは実務翻訳の仕事の形態について詳しく紹介していくことにします。
実務翻訳とは、民間企業や公的機関等が、その業務上の必要に応じて翻訳者に対して発注する翻訳のことを言います。
その内容は業務に関わるビジネスレター等は勿論、契約書やマニュアル、論文、企画書、製品カタログ、製品仕様書等、実に幅広い内容にまで及んでいます。
先に紹介したような性質を持っているので、実務翻訳では翻訳を必要とする企業、及び団体や組織等が発注者となります。
時には官公庁や大使館と言ったところも実務翻訳を発注することがあります。
またこの発注も、翻訳会社を通して依頼される場合と、直接翻訳者に発注される場合とがあります。
以上が実務翻訳に関する簡単なあらましです。
先の紹介したように実務翻訳の場合、クライアントからフリーランスの翻訳者に、直に仕事が依頼されるケースも少なからずありますが、主流はやはり翻訳会社を仲立ちとするルートです。
翻訳会社にはたくさんの翻訳家が登録されています。
もしも実務翻訳者を志す人で、是非実務翻訳の仕事をやってみたいと思うのなら、まずはトライアルと呼ばれる一種の試訳の試験のようなものを受けて、翻訳会社に登録しておく必要があります。
一般の実務翻訳
それでは一般の実務翻訳の場合、翻訳会社からどのように翻訳家に仕事が回ってくるのでしょうか。
まず翻訳会社がクライアントから翻訳の仕事を受注します。
翻訳会社にはコーディネーターと呼ばれる人がいて、そのコーディネーターがまずは原文に目を通します。
そして自社の登録翻訳者リストから適任と思われる翻訳者を選んで、翻訳の外注の手配をします。
コーディネーターから翻訳の仕事を受けた翻訳者は、何か疑問点があればコーディネーターを窓口にして問い合わせます。
クライアントとの折衝やスケジュール管理を行うのも、コーディネーターの役割です。
コーディネーターが、言ってみれば一つの翻訳プロジェクトを管理する立場にあります。
では一般に翻訳者はどのくらいの時間をかけて翻訳の仕事を行なうのでしょうか。
翻訳者に与えられる仕事の期間は、多くの場合が数日程度しかありません。
さすがにビジネスは時間との勝負とも言えるだけあって、納期が逼迫しているものが多いのです。
従って翻訳者はかなりのスピードで仕上げることが求められます。
中には1000ページを超すような大きな案件もあって、そうしたものを翻訳する場合は、数人がかりで相当の時間をかけて訳す場合もあります。
逆に短いものでは2~3日程度で仕上げることもあります。
また中には、「数時間後に納品してほしい」といった特急扱いの注文もあります。
実務翻訳の案件と言ってもページ数、納期共にいろいろなケースがあります。