翻訳会社のコーディネーター
実務翻訳の場合、一般に翻訳者は翻訳会社のコーディネーターから翻訳の仕事を与えられて、翻訳の仕事に取り掛かります。
ですが通常の場合、翻訳者に与えられる仕事の期間は、いわば納期は数日程度しかありません。
さすがにビジネスは時間との勝負とも言えるだけあって、納期が非常に逼迫しているものが多いのです。
従って翻訳に当たる翻訳者はかなりのスピードで翻訳を仕上げることが求められます。
実際のところ経験の少ない人にとっては、短時間で質のいい翻訳を仕上げることは至難の業でしょう。
中には1000ページを超すような大きな翻訳案件もあって、そうした資料、文書等を翻訳する場合は、数人がかりで相当の時間をかけて訳す場合もあります。
逆に短い文書では2~3日程度で翻訳を仕上げることもあります。
また更に、中には「数時間後に納品してほしい」等といった超特急扱いとも言える翻訳の注文もあります。
そうして翻訳者が一生懸命に翻訳をして、それを仕上げます。
翻訳が済んだら、その翻訳稿を翻訳会社に提出することになります。
それでは翻訳者が翻訳を済ませた原稿は一体どうなるのでしょうか。
翻訳者から上がってきた訳稿に対しては、チェッカーと呼ばれる担当者が誤訳がないかどうか、或いは訳漏れがないかどうかを丹念にチェックします。
問題が少なければその場で修正を行いますが、問題が多い場合は、翻訳者に訳稿が差し戻されることもあります。
読者を意識した翻訳
実務翻訳の難しいところの一つに、その翻訳の読者を意識しなければならない、と言うことです。
典型的な例が、例えば何かのマニュアル、説明書です。
同じマニュアルの翻訳でも、それがその分野に精通した技術者を対象としたものなら、その分野の専門用語がそのまま使えるので、場合によっては実務翻訳の際に技術専門用語をそのまま使ったり、あまり説明を加えたりしないで翻訳とすることができます。
ですが一般のエンドユーザーを対象とするものでは、そうはいかないことがあります。
一般の人には技術用語や専門用語には馴染みのないケースが殆どですから、そうした技術用語を親しみやすく理解しやすい言葉に替えたり、より平易な文章で表現したりすることが求められます。
そこで翻訳文書によっては、チェッカーの代わりにリライターと呼ばれる人達に訳稿が渡って、クライアントの求めに応じた修正や、或いは必要に応じてさらに翻訳に磨きがかけられることになります。
また、日本語から外国語への翻訳については、多くの場合、ネイティブのチェッカーがこうした翻訳の質を高めるプロセスに加わっています。